独立行政法人日本学術振興会に、特別研究員という制度がある。通称、「学振」だ。博士後期課程の大学院生や、ポストドクター(ポスドク)と呼ばれる若手研究者に対し、研究奨励金(給料のようなもの)を支給するという制度である。経済的な負担を軽減して研究活動に専念させるとともに、優れた才能と意欲を持った学生の博士後期課程への進学を奨励するという、若手研究者の養成および確保を目的としてる。 すべての分野を合わせて、年間1万2000人の申請者に対し、1600人(18年度募集では1400人)ほどが採用される。毎年、この時期に募集が始まるので、多くの大学院生が申請書書きに追われるのである。 申請書には、「現在までの研究状況」「これからの研究計画」「研究業績」などを書くのだが、博士課程用の申請書に限り、今年から新たに加わったものがある。それが、「自己評価」の欄だ。先輩などの前例を参考にできないため、何を書けば良い