「洋食」というと西洋から輸入された料理と思いがちだが、実は日本発祥の料理も少なくない。たとえば「ハヤシライス」「オムライス」なんて面々は日本生まれだ。これらはいったいどのようにして誕生したのだろうか? そんな疑問を突き止めるべく、向かった先は銀座の「煉瓦亭」。ここは1895年創業の老舗で、数々の洋食の発祥の地としても知られる。まずは、同店で最も古くに生まれたという「カツレツ」について聞いた。 「当店はフレンチ料理店として創業したのですが、当時の日本人は肉を食べる習慣がないうえ、西洋料理特有の油っぽさも苦手としていたそうです。そこで、日本人でも美味しく食べられるような肉料理として考案されたのが『カツレツ』でした」(「煉瓦亭」店主・木田明利さん) 客の声がきっかけで生まれた洋食は他にも。 「当時、玉ねぎや挽き肉、デミグラスソースを使ったまかないがあったのですが、それをお客様からオーダ