中堅・中小企業においてもERPは基幹系業務を支えるものとして極めて重要な役割を果たしている。ERPに限らず業務システム全般において独自開発システムからパッケージ利用へと遷移するのは自然な流れだ。一般的に独自開発システムは開発に要する費用や機能の豊富さといった点でパッケージよりも不利であると言われている。ところが、ERPを活用しているユーザ企業の実態を探ってみると、必ずしもパッケージが独自開発システムよりも高い評価を得ているわけではない。つまり「パッケージだから安心」という理由で安易にERPパッケージを導入すると、独自開発システムを採用した時よりも逆にコスト高になってしまうこともあるわけだ。本稿では中堅・中小企業に対して実施したERP(パッケージおよび独自開発システム)の評価に関する結果を元に「ユーザ企業はどのような点に注意してERPパッケージを選べば良いのか?」を探っていくことにする。 ※