原発作業員で賑わう、福島県小名浜のソープランドを舞台にした劇団東京フェスティバルの『泡』。 2012年に初演、今年福島で再演されたこの舞台の作・演出を手掛けた劇団主宰者、きたむらけんじに演劇を通して訴えたかった“福島”についてきいた。 ─なぜ、小名浜のソープランドを舞台にしたお芝居を? 「僕は放送作家の仕事もしているんですが、担当するJ-WAVEの報道番組『JAM THE WORLD』の取材で被災地に行ったんです。始めは2011年の12月に宮城県の石巻に行って話を伺ったんですが、その時は物語にしようとは思わなかったんですね。震災から1年後、再び番組で被災地を取材することになり、どこに行くか考えた時、言葉は悪いかもしれませんが、宮城県や岩手県は放っておいても他が報じるだろうなと思ったんです。僕たちがやるべきことは、福島のことを伝え続けていくことなんじゃないかなって」 ─なるほど。 「できれ