世界的に未曾有の事態が続いた2020年。パンデミックは音楽シーンにも並々ならぬ影響を及ぼし、多くのアーティストが、これまでとは違う形態での活動を強いられた。オンラインでのライブが一般的となり、我々リスナーの体験も大きな変化を余儀なくされる中、Travis Scottの『Astronomical』を筆頭に、前例の無い状況下で新たなクリエイションを模索するアーティストの試みに刺激を受けた方は多いだろう。 メインストリームから一歩離れた周縁的な場所でも、オルタナティブかつ刺激的な、今年以降の更なる発展を期待させるようなムーブメントがいくつも起こっていた。 中でも、トラップの文法を下敷きとしながらEDMやフューチャーベースといったダンスミュージックの過剰なポップネスを吸収し、エモラップやロックのテクスチャーをも取り入れた新たなジャンル「ハイパーポップ」は、オンラインプラットフォームを中心に大きな盛