ニッセイ基礎研究所の櫨(はじ)浩一氏のレポート(写真)によれば、1970年代半ばには20%以上もあった日本の家計貯蓄率は、2013年度にはついにマイナス1.3%とマイナス領域に転落してしまったそうです(内閣府国民経済計算確報)。日本人と言えば、貯蓄好きのイメージがありましたが、今や日本人は全体で見ると、貯蓄を取り崩す国民になってしまった訳です。言うまでもなく高齢化がその主因です。 家計貯蓄が、民間企業の設備投資資金や、政府の財政赤字のファイナンスに使われる原資であることを考えれば、家計貯蓄率のマイナスは日本経済に大きな影響を与える要因となります。設備投資資金が国内で調達できなくなれば、成長性の高い投資機会があっても資金を投入できません。また財政赤字も国内だけではなく海外からの資金で調達しなければならなくなります。 経済の成長率は労働投入、資本投入、生産性の3つの要因に分解することができます
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