私は、20代の半ばくらいからコピーライターの見習いとして広告の業界に入った。 いわゆるイメージ広告のコピーライティングの修行は、読みやすい文章を書くことから始まる。 句読点や、短いセンテンスでリズムよく読ませる文章が広告には求められるからだ。 こういうのは、小説をいくら読んでも書けない。 いいとされている広告のコピーを死ぬほど読んで、ゲロ吐くくらい自分で書いてみる。 いまでもその時学んだことが癖みたいに生きているので、私の文章は基本的に読んでてリズムがいいはずだ。 だが、リズムがいい、読みやすい、というのは、読み手の思考を止める。 人間の思考というのは、1+1=2という、次に100%くるであろう解を予期させる、文字列が気持ちよくできている。 1-1+2×5-7+1+3-5=2だなんていうのは、甚だ気持ち悪感じるのだ。 目の前にあるゴタゴタした数式を解いていって、解に至る直前の数式を述べれば