「経営における最も重大なあやまちは、間違った答えを出すことではなく、間違った問いに答えることだ」(ピーター・ドラッカー)。 財政再建問題でも同じことが言えます。 今政府で問題とされている、「いかにして政府債務を返済するか」という間違った問いに答えても何ら有用な結論は得られないことについて本日は書きたいと思います。 早速ですが、図1をご覧ください。 家計純資産は、「相手」となる負債があって形成されている 図1 家計純資産と政府・企業・海外の純債務 出所:日銀資金循環統計から筆者作成 縦軸:兆円 家計純資産は、政府純債務と企業(民間非金融部門)純債務と海外部門の純債務(日本から見れば純資産)の合計にほぼ等しい。 政府純債務は著しく増えているが、それと並行して家計純資産が増え、企業純資産は減っている。 金融資産の世界を、家計、企業(民間非金融部門)、政府、海外に分ければこれらで全て網羅されていま