関根潤三さんにインタビューをしたのは2015(平成27)年12月のことだった。 パソコンのハードディスクに保存してある取材音源にアクセスすると、生前の関根さんの優しい肉声が流れてくる。 テレビでおなじみの好々爺然とした穏やかな言葉が耳に心地いい。パソコンのスピーカーからは、かつてともにヤクルトのユニフォームを着ていた池山隆寛について語る関根さんの声が流れている。 「池山はね、本当に神経が細かい。神経が細かいから必死に頑張る。あの頃はまだ経験がない若手だったから一生懸命に練習する。本当に素直ないいヤツでしたよ」 売り出し中だった頃の池山は「ブンブン丸」と呼ばれ、豪快なスイングから繰り出される大ホームランが魅力だった反面、三振もまた多かった。 「だって、三振するんだからしょうがないじゃん」 その点を問うと、関根さんは何事もなかったかのように飄々と続ける。 「三振が多かった? だって、三振するん