引き続き玉村豊男の『旅する人』からのエピソード。 日本にやってくる外国人観光客のツアーガイドのアルバイトを始めた時、先輩からこんなアドバイスがあったそうです。 要は、金魚の入った金魚鉢を、水もこぼさず金魚も殺さずにA地点からB地点に運ぶことなんだよ。 バス一台をまかされ、外国人観光客30~40人をまとめてお世話。観光案内でなく食事や買い物などすべての行動の相談相手になります。 せっかく日本まで来たからあれもこれもと詰め込んでも、客にとっては有難迷惑。特にアメリカの観光客は高齢者が多いので疲れると体調を崩しがち。とにかく到着した空港から出発する空港まで平穏無事に過ごさせるのが最適なサービスだというのです。 これは日本人の海外パックツアーも同じようなもの。異国は言葉も通じないし危険なこともあるけれど、添乗員と一緒にバスの中にいる限りは無事に旅ができます。玉村豊男はサファリツアーのライオンバスに