だいたい忙しいときほど、どうしてもそのときにしなくていい別のことにはまってしまうものだが、いま「雪」を読んでいる。 「雪」の舞台は、90年代初頭のトルコの地方都市カルス。この小説を読みながらつくづく思うのは、日本に近いアジアと欧米までは、その地の歴史や現実についての想像力が何とか働くけれど、トルコとなると、ただシンプルに歴史的事実が書かれているだけでもドキドキするほど新鮮な印象を持つ、ということだ。そしてこの小説は、全体、構造もさることながら、細部が素晴らしい。 雪 作者: オルハン・パムク,和久井路子出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2006/03/30メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 119回この商品を含むブログ (70件) を見る ・・・・・男たちの全ては、憂鬱感のために萎えているのを見たと彼は言った。「奴らは茶屋で何日も、何日も何もしないで座っている」と語った。「ど
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