「電話番号って『物』じゃないの?」「IPアドレスも直感的には『物』って思う人が多いかもね」---。最近,編集部で交わされた会話である。何のことかわかるだろうか? 答えは「認証の手段」だ。 筆者は,日経NETWORK10月号(9月28日発行)で「知らない間に使っている 最新&定番の認証技術」と題し,システムの裏方で動作する認証技術にフォーカスした特集記事を執筆した。その基本知識として,認証の手段を解説している。その手段とは,「人で認証する」「物で認証する」「場所で認証する」の三つだ。冒頭で紹介したのは,その具体例を挙げている時の会話である。 それぞれの認証手段を簡単に解説しておこう。「人で認証する」は,その人の指紋などを使った生体認証のほか,記憶を使ったパスワード認証が含まれる。パソコンへのログオンなどがこれに当たる。 「物で認証する」は,人に何か物を所持させて,その物で認証を行うパターン。
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