大会組織委員会の橋本聖子会長(右から2人目)と原爆資料館に向かうIOCのトーマス・バッハ会長(同3人目)=広島市中区で2021年7月16日午後1時36分、山田尚弘撮影 国際オリンピック委員会(IOC)の正副会長が16日、広島、長崎をそれぞれ訪れた。平和を追求する五輪運動とはいえ、新型コロナウイルスの感染が急拡大する首都圏から足を運ぶことには批判の声がある。被爆地の人々の目には、IOCの描く平和の祭典がどのように映ったのだろうか。 「盛り上がり方が違う。どうしても(前回東京オリンピックが開催された)1964年と比較してしまう」。バッハ会長の来訪反対デモに参加した広島県原爆被害者団体協議会(広島県被団協)の佐久間邦彦理事長(76)は話す。生後9カ月で被爆。東京に憧れ、前回の東京五輪を機に上京。海外メディアが集まるプレスセンターの食事場所でウエーターのボランティアをするなど、五輪が人生を切り開く