3か月に一度、精神分析の勉強のためにアメリカに行っている。学者主導で旧態依然とした日本の精神分析と比べて、アメリカでは、それで「飯を食っている」人が多いため、患者たちの変化に合わせて、あるいは、認知行動療法の人気に対抗すべく、精神分析の理論や実践がフレキシブルに変わる。それを習いに、尊敬できる先生のもとに勉強に通っているのだ。 余談になるが、その日本の精神分析学会から、学会の方針などを決める運営委員に推薦され、立候補を勧める手紙が来た。多少は現状に危機感を感じて、最近の動向を知る気になったのかと立候補したら、ものの見事に最下位で落選だった。1位と2位の人は私の10倍以上の票を取っていたが、留学経験も英文の論文の実績もない人だった。今回立候補した中で英文の査読論文(編集委員がジャッジして採用を決める論文)の実績がある精神科医(英文の論文のある心理士の人も立候補していたが、その人は当選していた