まえがき 『同年、ウォルトがグラハムに宛てて書いた洞察力あふれる長いメモには、それまで十六年の経験から引き出された彼のアニメーションに対する信条が、これまでになく明確に表れている。このメモの中で、ウォルトが優秀なアニメーターの資質としてあげた条件は、次のようなものであった。』 リスト デッサンがうまいこと。戯画化の方法、ものの動き、ものの特徴などをつかんでいること。演技に対する目と知識をもっていること。いいギャグを考えだすと同時に、それをうまく表現する能力があること。ストーリーの構成と観客の価値観について熟知していること。自分の仕事に関する一連の機械的な部分や、細かい決まりきった作業をも、すべてよく理解していること。そうすれば、こうしたささいな点で立ち往生することなく、アニメーター本来の能力を発揮できる。 あとがき まえがきを含めて『ウォルト・ディズニー―創造と冒険の生涯』より。復刻版が出