戦国時代 目 次 プロローグ 弥助の命と久兵衛の秘密 織田信長という男 戦国時代の仲間たち プロローグ もし、このシリーズ最後の物語を読む方々が思っていた内容とは違っても、それを許して欲しいと思う。まあ、この先を読まれる方々にとって、それはどうしようもないことだろうけど。 1573年。小谷城の戦いで織田信長に攻められ、城から逃げてきたお市の方がいた。彼女に向かい刀を抜いた久兵衛とヨシ。二人は私にとって大事な仲間のはずだった。私たちはお市の方を救うためにこの場に来たはずで、だから久兵衛とヨシの殺意に驚いた。 結果、二人を止めに入った弥助がヨシに刺されるという悲劇を生んだ。 最初から予期された未来など、退屈でしょうがないが、私は未来を予期していたかった。 弥助の命と久兵衛の秘密 霧のような雨が降っていた。 「弥助!」 弥助は久兵衛の腕のなかでかすれた声をあげた。 「お市さ・・ま、は」 「大丈夫