「うわぁ、すごいなぁ。蛇が蛇を丸呑みしてるよ。蛇って共食いするんだな」 感心するような呆れるような、どうにも形容しがたい感慨を覚えて、私はただぼうっとパソコンの画面を見つめた。 視線の先にあるのは、「ダーウィンが来た!」や「ナショナルジオグラフィック」の動画ではない。 ライフワークというより、もはや惰性で観察している子宮系スピリチュアル教祖のブログだ。 四柱推命をもじって子宮推命と銘打ったインチキ占いで、不特定多数の犠牲者から金を巻き上げてきた蛇顔の女が今、大富豪を自称する蛇男に飲まれようとしている。 つまり、私が眺めている蛇の食事風景とは、詐欺師が詐欺師を喰っている光景なのである。 見た限り、その蛇男は大蛇ではなかった。詐欺師としては、どう見ても小物でしかない。 しかし、その程度の蛇に丸呑みされてしまうということは、女の方はさらに小さかったということか。彼女は子宮系スピリチュアルを看板に
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