「すばらしき世界」2021 日本 監督・脚本:西川美和 原作:佐木隆三「身分帳」 出演:役所広司、仲野太賀 見に行ってよかった。素晴らしい映画だった。役所広司さん、凄すぎです。 社会に適応した「ふつうの人」と社会に適応できない「おかしな人」が出て来るけれど、映画の視点はどちらの側にも与しない。フェアだ。 「ふつうの人」と「おかしな人」が出会い、どちらも変化する。どちらの側にもゆさぶって、お前はどう考えるかと突き付けてくる。 ぼくは、いまの社会ってやっぱりバランスが狂ってるよなと思った。この社会に適応して「ふつう」であるためには、捨てなくてはならないもの、我慢しなくてはならないことが多すぎる。「ふつうの人」になってもちっとも楽しくないんだ。かといって相当程度「ふつう」でないとこの社会では生きていけない。 捨てたくないものを捨て、我慢したくないことを我慢してゐる「ふつうの人」がつくる社会は息苦