印刷 米空軍のミサイル発射担当将校向けに「核の倫理」を説く講義資料は、広島への原爆投下にも触れているが、当時の米兵死者数の多さなどを挙げて正当化した=「軍における信仰の自由財団」提供 米空軍が、有事の核ミサイル発射を担う将校向けの訓練の一環として、キリスト教の「聖戦」論を20年以上にわたり講義してきたことがわかった。「憲法の政教分離原則に違反する」との指摘を受け、今年7月末に突然、取りやめていた。 米国と旧ソ連・ロシアの間では、冷戦末期から核軍縮が進展。核保有の必然性や使用の可能性は薄れてきた。民主的な議論とは無縁の「神話」によって、核の道義的な正当化を試み、延命を図ってきたことに、懸念の声が出ている。 問題の講義をしていたのは、カリフォルニア州にあるバンデンバーグ空軍基地。ミサイル発射を担当する空軍の将校は全員、この基地で核について訓練を受ける。憂慮した複数の軍人から通報されたNP