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2017年10月18日のブックマーク (2件)

  • ニーチェ『権力への意志』を解読する(2)

    ニーチェは書『権力への意志』の前半(第1書~第2書)で、キリスト教道徳に代表される既存の価値体系をコテンパンに批判した。その仕方はあまりに痛烈だったが、ニーチェにとって、そこでの批判はあくまで新たな価値体系を打ち立てるための準備作業でしかなかった。後半(第3書~第4書)に収められているのは、まさにこの新しい価値体系を打ち立てようとする試みだ。 以下ではニーチェの言い分がどの程度妥当なのかに注意しつつ、彼の議論を確認していくことにしよう。 認識=欲求に相関した価値解釈 まずはじめにニーチェは、「認識論的出発点」として、認識の原理的考察から取り組む。 「神は死んだ」とか「愛せなければ通りすぎよ」など文学的な表現を好んで使うニーチェが、認識の原理論から入るのは意外かもしれない。しかしニーチェの議論が私たちにとって価値をもつとすれば、その理由のひとつはここにあるといっていい。なぜならこの原理論が

    ニーチェ『権力への意志』を解読する(2)
    tokyoboy3910
    tokyoboy3910 2017/10/18
    ニーチェ権力への意思
  • 『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』:書評と考察 : 富士通総研

    2017年6月22日(木曜日) (はじめに) 玄田有史東京大学教授の編集で『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(慶應義塾大学出版会)という書物が出版された(以下、書と呼ぶ)。このの帯にもあるように、これはまさに現在の日経済の「最大の謎」に挑む試みだと言えよう。実は筆者自身も、このオピニオン欄などで何回か雇用と賃金の問題に取り組んできた(注1)。ただし、従来の筆者の考察は主に「日的雇用」(大企業の正社員を中心としたメンバーシップ型雇用)に焦点を当てたものである一方(注2)、現実の日の労働市場は遥かに複雑で多面的なものである。 この点、書の大きな特徴は、敢えて書物としての見解の統一性に拘ることなく、総勢20名以上の研究者を動員することで、序と結びを併せて18章にも及ぶ多様な観点からこの「謎」に挑んだことにあろう。具体的には、正規・非正規雇用の違いに注目しつつ(【正規】)、正統