ところで、海馬は記憶に大切だといわれますが、 実は、どんなタイプの記憶にも 海馬が大切というわけではありません。 動物の目に空気を吹きつけるという、 記憶に関する実験がよく行われます。 人間でもそうですが、 目に空気がパッと入ったら嫌だから、 まばたきのように一瞬目を閉じますよね? そういう実験です。 まず、動物に音を聞かせてから 目に空気を当てるようにします。 ブーッと音が鳴ったら空気がパッと当たる。 「ブーッ・パッ 、 ブーッ・パッ」 これをくり返します。 そうすると、音を聞いただけで 目を閉じるようになります。 いわゆる「パブロフの条件反射」ですね。 「音が鳴ったら空気が来るぞ」とわかるのは、 記憶があるからです。 脳のどこかでそのことを覚えているんですが、 意外なことに、この記憶には 海馬は必要ありません。 そこで、ひとつ段階を増やします。 まず、音と同時に、動物に光を当てておき