ちびまる子ちゃん役で 有名な伊藤綺夏ちゃん(9歳)を 間近で見る機会があった。 天才子役というのはすごいもんだ と思った。 完全に大人を喰っている。 もちろん、失敗することも あるのだけれども、 ケロリとして、動じない。 一体どういうことだろうと 考えた。 もともと、子どもにだって 文脈依存性のふるまいはある。 前頭眼窩皮質などの働きを通して、 その時々の状況に合わせた形で 自らを律する。 文脈依存のふるまいをする時、 大人はどうしても わざとらしくなったり、自己意識が 出てしまったりする。 それに対して、子どもは 本来的に無邪気である。 可愛らしいが、その可愛らしさは わざとやっているわけではなくて、 無意識の自然の傾向として 現れてくる。 天才子役というのは、そのような無意識の 傾向が、「演技」と一致するんだな と思った。 人が生きるということが喪失と 獲得の連続であるならば、 大人に