情報が至る所にある時代の公共図書館員の活躍の場所は? 「情報が至る所にあるとするならば,我々がレファレンスデスクにとどまっている意味はあるのだろうか? いや、ない。多くの図書館員は新しい働き方を試みている。」 米国カトリック大学のシュメイカー(David Shumaker)氏が2012年4月18日に行われたテキサス図書館協会年次大会でのプレゼンテーションで示した言葉である。シュメイカー氏は,図書館員が,その活動の場を図書館の建物の中に限定せず,コミュニティの中に自らを埋め込むようにして,密接に関わりながらサービスを提供することの意義を説いている。コミュニティ内の組織と目標を共有し,協同しながらサービスを提供するこのエンベディッド・ライブラリアンの考え方は,従来,サービス対象を限定・特定しやすい大学図書館や専門図書館になじみやすいものとされ,公共図書館への応用は示唆される程度であった(CA1