米国ではインターネット時代に即した新しいレファレンスサービスが続々と出現している。その中でも双方向通信を利用したリアルタイムのレファレンス、チャットがもてはやされているように見えるが、果たして実態はどうなのだろうか。 筆者が在籍していたオハイオ州立大学図書館でも例に漏れず、チャットを提供していた。実際にどのように行われるのかを見たいと思い、2004年の春親しいレファレンスライブラリアンに現場を見せてもらうことにした。彼女の担当時間にオフィスのコンピュータの前に座り、雑談しながらいつ来るかと待つこと2時間。質問の到着を知らせるチャイムはとうとう一度も鳴らないまま2時間は過ぎてしまった。聞いてみるとその時が特別だったわけではなく、質問ゼロの方が多いとのことであった。この大学だけの問題なのだろうかと不思議に思ったものである。 チャットを行った最初の図書館がどこかははっきりしないが、テンプル大学図