1997年5月27日、神戸市須磨区にある友が丘中学校の校門前に、行方不明になっていた小6男児の頭部が置かれていた。そこにあった「犯行声明文」には警察に対する挑発的な内容が書かれており、筆跡が似ていた少年A(当時14歳)が犯行を認めた。少年は他にも2人の女児を殺傷していた。いわゆる「神戸児童連続殺傷事件」である。 医療少年院での治療と保護観察を経て社会復帰したその元少年Aが執筆した『絶歌』(太田出版)が話題となり、ベストセラーとなっている。 この本をめぐっては様々な論点がある。私もすでに他のニュースサイトで記事を書いている。出版の是非については、<【神戸児童連続殺傷事件】元少年Aの告白本『絶歌』出版の是非>(東京ブレイキングニュース、2015年6月11日)、事実関係の記述については、<元少年Aの手記には「3つの重大な疑問」について書かれていない――果たして彼は本物なのか?>(トカナ、2015