離人症 離人症という病気がある。もちろん精神(心)の病である。 私はこんな名の病気があることを24歳の時知って、自分は正にこの病気だと思った。 この離人症という病気は、若くて色白の美しい女性に多いそうだ。私自身もなる程と思った。そしてこの離人症という病気と「色白で美しい女性」ということの相互関連性を考えてみた。離人症だから美しい女性になるのか、美しい女性だから離人症になるのかと考えたわけだ。これはどちらとも言える。 離人症という病気は、一言で言えば、自分が何に対しても親しみを感じられない病気である。さらに言えば、自分がガラスかぶ厚い氷の中に閉じ込められているように感じ、また、自分を取り巻く一切の人間や事物に対して、その存在感が極めて希薄にしか感じられず、全てが空虚に感じられる病気である。いや感じられるというよりも、この「感じ」というものが沸かない病気である。感じというものがわからない。親睦