4月の鹿児島県議選で、当選議員の約4割に当たる19人が公費で賄われるポスター代を「満額請求」していた。印刷業界にとって受注が舞い込む選挙は特需期。県条例が定めた単価の上限は相場価格を反映しておらず、高額受発注の常態化を招いている。 【関連記事】県議選ポスター1枚単価 最高5060円、最低177円の28倍 19人が公費負担分を満額請求 相場とかけ離れた実態まん延 「税金だから取りはぐれる心配はない。取れるだけ取ればいい。それが、業界の暗黙の了解になっている」。約20年間、候補者から請け負っている鹿児島市の印刷業者は明かした。 選挙前、候補者は選挙準備で忙しく、複数の見積もりを出す余裕はない。費用は税金で賄われるため、価格交渉もないという。印刷業者は「多くの業者が満額で請け負わない方がむしろ損という認識を持っていると思う。かなり言い値が通りやすい状況だ」と話す。 刷る枚数や用紙の材質などによっ