(2013年6月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ブラジルでは、マイカーを持つことが中産階級の夢の1つ(写真はサンパウロの大動脈パウリスタ通り)〔AFPBB News〕 ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ前大統領は、2002年の選挙運動を記録したドキュメンタリー映画「Entreatos(幕間)」で、1970年代に車を買った時に感じた「中産階級」の誇りについて語っている。 「王様のような気分になった」。その当時、ブラジルのデトロイトに相当した場所、つまり、ABCパウリスタと呼ばれるサンパウロの自動車産業集積地で金属工としてキャリアを始めたルラ前大統領はこう語った。 職場で事故に遭い、自動車産業のせいで小指を1本失った同氏は、大統領になっても車に対するこの熱意を維持した。この熱意は、ルラ氏の後継者で、中道左派の与党・労働党でともに幹部を務めるジルマ・ルセフ現大統領も共有している