先日、この日記を読んでいる十九歳の女子大生と話す機会があった。当然のようにaikoの話になったんだが、彼氏とうまくいってない時によくaikoを聴いていたと言われて、勝てないと思った。なんというか、勝てない。リアルさにおいて勝てない。aikoとの関係性において、私は圧倒的に敗北していた。この日記でどれだけ「俺はaikoだ」とわめいたところで空しいだけだ。 あの女子大生は呼吸するかのような自然さでaikoになっていた。一挙手一投足が、そのままaikoとなる。女の人生には、そんなひとときがあるものだ。しかし私は人の家の物置に住みついて、真夏に汗だくになりながらパンツ一丁でaikoを聴いていた。毛むくじゃらの脚がむきだしになっていた。そんな状態で、「俺はaikoだ、俺はaikoだ」とうわごとのように繰返していた。 こんなものは、頭のおかしくなった妖怪じゃないのか。 妖怪aikoすすり。人の家の物置