本国UKでは数年前から既に「無冠の王者」とでも呼ぶべき風格を漂わせているビッフィ・クライロの6枚目となるオリジナル・アルバムである。ここ数枚は全英トップ3の常連で、スリップノットやアンスラックスと肩を並べてヘヴィ・ロック系フェスでヘッドライナーを務めることができるという稀有なUK産バンドである彼らだが、なんと20曲収録のCD2枚組という、このご時世のロック・バンドとしてはあり得ないヴォリュームの新作をブチ上げてきた。しかも2枚のCDが対の意味を成す完全なコンセプト・アルバムである。こんな重厚長大なリリースが可能なのも彼らがロイヤルなファンをがっつり掌握しているからで、力強い希望を感じる作品だ。サウンド的にもヴォリューム感に相応しいヴァラエティを擁しているが、全体のムードとして感じるのはある時期のグリーン・デイ、メロディック・パンクの枠を超えて普遍的な存在になっていった、あのさりげなくも力強