阿部嘉昭ファンサイト: 明るい少女論 (桃原玲奈)【解題】 史学科四年、桃原（とうばる）玲奈さんのレポートを開いた最初、新鮮な衝撃が走った。おしゃれなレイアウト、しかも図版が溢れかえっている。アート系の子か、と期待していると、使用される文体は考え抜かれて堅牢、しかも滞りもなく読みやすい。そして僕の講義では展開できなかった微妙な一面を突いてくる。読まれればわかるように、彼女は「少女性の把握」を、「ネガティブ度１００％」「同７０％」「ポジティブ度７０％」「同１００％！」の四段階に分け、主として男性側からなされる少女性把握の身勝手さを撃ちながら、そうした「少女性幻想」を自らまとうことで逼塞状況に風穴をあける方策を提案している。一見するとフェミニズム的視点があるが、彼女の戦略というか知略は弾力性に富み、状況変化に即応できるだけの運動神経を備えている。それはミュージアム・ショップでの接客アルバイトをつうじ、アートそのものとアート受容状況とを継続的に
