『吾輩は猫である』 パロディ 夏目漱石の処女作『吾輩は猫である』は、明治38年1月から39年8月まで「ホトトギス」に連載され、 上巻が38年10月、中巻が39年11月、下巻が40年5月に単行本として出版された。 雑誌発表の時から評判をとった小説だが、今日に至るまで読まれ続けている傑作である。 作品もよく読まれたが、そのパロディも近代文学としては例を見ないほど生んだ小説でもある。 以下に紹介するのは、『夏目漱石の研究と書誌』に発表したパロディの一覧表である。 同書には、詳細な書誌、目次、書出し等を付してあるが、量的に膨大となるので、 タイトル、著者、刊年月、出版社のみ掲げる。 紹介したのは100点余りだが、さらに調査をすれば倍近いパロディが発表されていると思う。 今後も調査を続けるつもりでいるが、こうした書物の調査は時間と根気を要する仕事で、 一人で行なうのは限界がある。こ