「有機栽培は作物の質を高め、収量を増やすことのできる技術だ」 こういう説明を聞いて、どう思うだろう。「それはおかしい。有機農業は農薬や化学肥料を使う現代農法より難しく、天候の影響を受けやすくて収量は不安定」と思うのではないだろうか。 有機肥料の販売やコンサルティングを手がけるジャパンバイオファーム(長野県伊那市)の代表、小祝政明さんはこうした見方を否定する。「本来、有機栽培のほうが安定している」と。 ただし、ここで言う有機栽培は「環境にいいから」「安全で安心だから」という素朴な発想で続いてきた有機農法とはだいぶ違う。植物生理や土の構造を理解し、データを使ってものを考えることに慣れないと、実践は難しい。 それを知るために、千葉市の郊外で8月に開かれた勉強会に参加した。 食べた人をびっくりさせる甘さに 「ブロッコリーの糖度がふつうの2倍になる。食べた人は、いったん口から出します。自分が食べたの