中国での報道の自由の抑圧については前回の当コラムでも取り上げた。外国メディアへの中国当局の嫌がらせが主題だった。嫌がらせというよりも正面からの報道活動妨害と言えよう。 今回はそれに関連して、中国での外国書籍への検閲について報告したい。本の出版でも同様に政府や党による抑圧が普通に行われている状態なのである。 外国で出た本が中国語に翻訳され、中国人読者向けに出版される場合、中国当局がその内容を検閲することはすでに広く知られている。 その際、どこまで、なにを削除してしまうのかという基準が公表されることはまずない。すべては秘密のベールに包まれている。 だが出版の自由が当局によって大幅に抑圧されている事実は疑問の余地がない。ではその抑圧が具体的にどのように実行されるのか。出版社や著者だけでなく、読者にも、他の読書ファンにとっても重大な関心のあるテーマである。 検閲を受け入れず出版を拒否 米国人の著書