昨日は雨だった。特にこれといって激しい雨でもないし、むしろ降ったり止んだりの小雨だったのだけれど、やっぱり雨の日は少し外に出るのは億劫になる。だから私はおしゃれに本を読んでいたんだ。 コンビニでマガジンをね。クールに読んでたんだ。そして読み始めて少し経ったくらいだったかな。ちょうど「はじめの一歩」に差し掛かった所だったと思う。 私のページを捲る手は自然と熱を帯び、展開に期待を膨らませていたんだ。突然左後ろから「あの~すいません」 て声をかけられた。正直私はビビったよ。店員さんが立ち読みはご遠慮くださいって言いにきたのかと、振り返る前の一瞬でそう思ったから。そして私は振り返ったんだ。でも立っていたのは店員さんじゃなかった。少し背が高くて髪の長いちょっとチャラい感じの男だった。恰好は上下ジャージで激ダサだった。 正直私はビビった。逆に店員さんじゃなかったことにビビった。むしろそこは店員さんでい