「まさかこれほどの規模とは…」「受け入れられない現実だ」。22日、全社員の約2割に当たる約200人の希望退職者募集を発表した上田市上丸子の精密モーター製造シナノケンシ。夕方、帰路に就いた従業員らは驚きや不安を口にした。製造業が主力で、有効求人倍率0・24倍(5月末)と県内最低の上田小県地域。県内有数のメーカーの大量人員削減の波紋が広がった。 従業員らによると、本社食堂で会社側から賃金体系の見直しも告げられた。ある男性(45)は高1、中2、小1の3人の子どもがいる。「これから一番お金がかかるし、このご時世に再就職は難しい」と思う半面、「賃上げされず、ボーナスも下がった。会社に残ったとしても、これ以上賃金が下がったら困る」と戸惑いを隠さなかった。 開発部門の50代男性も「キャリアアップして再就職できればいいが、厳しい。辞めようにも辞められない」。モーター設計をやるためにこの会社を選んだ男性