しかしこれは,ごく表面的な一つの側面を表現しているに過ぎない。UPと言えば「反復型開発」を思い浮かべる読者も多いだろう。しかし,「反復型開発」もUPのすべてではない。さらに,今では一般的となっている「オブジェクト指向」と「UML」が,その歴史の多くをUPとともに歩んできたという事実をご存じだろうか。 UPは,ウォーターフォール型開発プロセスに代表される「旧世代の開発手法」の弱点を克服するために,次の思想とともに生み出された。 ユーザーの求める真の要求を満足させること 要求や環境の変化に対応できること ソフトウエア開発のリスクを減少させること 再利用可能なコンポーネントベースのシステムを実現すること そしてソフトウエア業界に「品質の高いソフトウエアを効率的に開発するためのガイドラインを提供すること」を最終的な目的としている(図2)。 様々な人達が,「なぜ失敗するのか」「どうすれば同じ間違いを
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