あらためて異常事態です。 あなたの事です。 絹さん。 絹さん。 絹さん! ・・・。 絹恵って名前超好きです。 「絹」って略称がたまらないですよね。 「きぬ」ってほら、声に出した時のこの舌ざわり。 「Ki Nu」ってほら、口に出してみて、この歯ざわり。 まさに真綿を撫でるようなやわらかい発音。 気持ちいい。声に出して呼びたい名前、咲界五指に入ります。 しかし絹から連想される、蚕という虫の愛らしい、しかし物悲しい生態。 人の手心無しには生を紡げない、紡げぬよう改造された腰砕けの生き物。 自身の力では羽ばたく事も出来ぬ飾りの羽。 愛宕の名前に雁字搦めにされた、彼女の行く末を暗に示されているような、、一抹の不安。邪推。 絹・・・。 また一方、その成長過程における、幼虫から繭、そして美しい真白の成虫へと。 古来より人の目に触れる「変身」のモチーフ。 絹。 いつか姉の手を、愛宕の繭から這い出し、重たい