女性の《今》と《性》を描いた官能SF小説「ピュア」が早川書房「note」歴代アクセス数第1位の20万pv超え、Apple Books「2020年ベストブック」選出で話題の小野美由紀さんの最新短篇、SFマガジン2021年2月特別増大号百合特集2021に掲載された「身体を売ること」を全篇公開します。ウイルスや大気汚染の蔓延で義体化が恒常化した世界の元少女娼婦のメイドとお嬢様の物語です。 わたしがこの銀色に光る新しい体を手に入れた時、まずはじめに思ったのは、 「ああ、これでもう男たちに好き勝手にされずに済むんだな」ということだった。 身体を売ることだけしか知らずに育って来た。このスラムに住む他の多くの女の子たちと同じように。 泥の中に妹(シスター)がいる。妹の手は変形している。スコールが上がったばかりの道はぬかるんでいて、ゴミ山から溢れてくる汚水で地面は7色にきらきらしている。小屋の前に座り込ん
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