あの日。 ライブはお休みでしたが、ダンスのレッスンに参加するため秋葉原の劇場に向かっていました。 風が強く吹いていましたが、歩けないほどではありません。 スーツケースを引き、イヤホンで新曲を聴きながらいつものように歩道を歩いていたそのときでした。 気づくとうつ伏せの状態で、看板の下敷きになっていました。 「えっ、今何が起きたの。この状況ヤバいかも」 少しパニックになりました。 それと同時に頭をよぎったのは、アイドル活動のことです。 「これからレッスンあるのに」 「明日の仕事どうしよう」 自力で抜け出そうとしたものの、重くて動きません。