『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治/新潮文庫 執筆年 1924年頃?) 銀河の祭りの夜、貧しい少年ジョバンニは病気の母のために牛乳を取りに行く途中、いつのまにか銀河鉄道に乗り込み、親友のカムパネルラとともに不思議な旅に出ていた。車中で出会った鳥を捕る人や、遭難したタイタニックの乗客たちとの交流のなかでジョバンニは「みんなのためにほんとうのさいわいを探す」というヴィジョンを得る。旅から帰ってきて(あるいは夢からさめて現実に戻って)みると、カムパネルラは川に落ちて死んでしまったことがわかる。ジョバンニは、カムパネルラの父からずっと不在だった父があしたは帰ってくることを聞き、それを知らせようと、牛乳を持って、母のもとに戻って行く。