大河のようにどこまでもつづく幹線道路、行列をなした車は時折りブレーキランプを一斉に赤く光らせ、道の両サイドにはライトアップされたチェーン店の、巨大看板が延々と連なる。ブックオフ、ハードオフ、モードオフ、TSUTAYAとワンセットになった書店、東京靴流通センター、洋服の青山、紳士服はるやま、ユニクロ、しまむら、西松屋、スタジオアリス、ゲオ、ダイソー、ニトリ、コメリ、コジマ、ココス、ガスト、ビッグボーイ、ドン・キホーテ、マクドナルド、スターバックス、マックスバリュ、パチンコ屋、スーパー銭湯、アピタ、そしてジャスコ。 どことは指定されていない、どこかの地方都市が舞台となった山内マリコさんの小説「ここは退屈迎えに来て」が、非東京生まれの東京ナイロンガールズの胸に刺さると評判です。 著者の山内マリコさんは新潮社主催の「女による女のためのR-18文学賞」第七回読者賞受賞者で、本作がデビュー作となる。