スルガ銀行がIBMに対し,次期情報システムの開発を委託したが,プロジェクトが中止に至ったとして,多額の損害賠償を請求し,それらの請求の大部分が認められた事件。 事案の概要 簡単に事実経緯を整理すると次のとおり。 平成12年ころから,スルガは次期システムの要件洗い出し作業に着手し,途中からIBMが加わった。IBMは,システムの一部に金融系パッケージのCorebankを適用する方向で検討した。 平成16年3月,IBMは,スルガに対し,Corebankを活用したシステムを提案した。スルガは,他のベンダからも提案を受けたが,IBMの提案がよいと考えた。 平成16年9月,スルガは社内で初期費用約95億円(スルガ内人件費含む。)とするなどの予算で,次期システムの開発についての意思決定を行った。 平成16年9月,スルガとIBMとの間で「基本合意書」が交わされた。その基本合意には,「IBMの提案に基づいて