北京で5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代、共産党が仕切る国会)で、李克強首相は今年の実質経済成長率目標を6%前半だと発表したが、そんな数値は人為的にどうにでもなる。 自由市場の日米欧などと違い、モノとカネを共産党中央が仕切る中国では経済成長の操作は簡単だ。国内総生産(GDP)の4割以上を占めるのはコンクリートや鉄鋼などを材料とする固定資産投資で、前年比で二十数%増やすと、GDPを二桁台も伸ばせる。 2008年9月のリーマン・ショック後、世界でいち早く高度成長に回帰し、投資が萎縮したままの日本のGDPを抜く経済超大国になった秘訣だが、需要がないとインフラや不動産などへの開発プロジェクトへの投資は収益を生まず、経済発展に寄与どころか足かせになりかねない。貸し手にとってはバブル、つまり不良資産と化す。 今、中国の辺境などでは返済困難になった巨大構築物が至るところで林立し、野ざらしになっ