冬の早朝、川崎市中原区の武蔵小杉駅周辺では夜も明けきらないうちから、スーツを着た会社員たちの慌ただしく歩く姿が見かけられた。見上げると、林立する高層マンションが朝日を浴びて銀色に輝いている。日が高くなるにつれ、高層マンションは住人を吐きだし始める。向かうのはJR・東急線の武蔵小杉駅。通勤時間帯の午前7時を回るころには、人の波がうねりのように押し寄せる。 JRの新南口はマンション群に近く、人の流れが特に著しい。改札は人をさばききれず、入場待ちの列がどんどん伸びていく。ピークは午前8時前後。行列は50〜60メートルに達し、駅舎を飛び出してマンションの出入り口付近にまで及ぶ。武蔵小杉駅周辺で日々繰り返されている光景だ。 加速する再開発 人口増を背景に川崎市はいま、ダイナミックに変貌を遂げている。川崎駅(川崎・幸)、登戸駅(多摩)、鷺沼駅(宮前)周辺など各区で再開発が進む中、武蔵小杉エリアは、市の