慢性腎不全の患者のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って、体内で腎臓を再生し、機能を回復させる世界初の臨床研究を、東京慈恵会医大などのチームが年内にも始める。慢性腎不全は、数カ月から数十年かけて腎機能が徐々に低下し、やがて人工透析に至る病気で、世界的に患者が増えている。チームは海外での臨床研究を目指す。【渡辺諒】 ヒトでの腎再生の臨床研究を試みるのは慈恵医大や明治大、医療ベンチャー企業「バイオス」のチーム。計画では慢性腎不全患者本人のiPS細胞から腎臓のもととなる前駆細胞を作製。遺伝子改変したブタの胎児が持つ腎臓の「芽」に注入し、患者の体内に移植する。