1973年7月1日の巨人戦で九回二死から長嶋茂雄に左前打を許し、ノーヒットノーランは幻に。苦笑いするしかなかった プロ4年目の1973年は、巨人とのシーズン最終戦に敗れて優勝を逃すという残念なこともありましたが、思い出の多い年です。 開幕から好調で、6月までに10勝を挙げて7月1日の巨人戦(甲子園)で先発しました。八回まで四球による4人の走者を出しただけで、ヒットは打たれていません。九回も先頭の2番・黒江透修さんを中飛。続く王貞治さんに大ファウルを打たれてヒヤリとしましたが、最後は遊ゴロに仕留め、4万8000人のファンで満員の球場は異様な雰囲気に包まれました。 4点のリードがあり、次打者は4番・長嶋茂雄さんです。それまでの3打席はいずれも変化球で二飛、左飛、左飛。5番は右打ちの槌田誠さんで、左打ちの広野功さんが代打の準備をしていました。すると捕手の田淵幸一さんがマウンドへやってきて、こんな