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  • 『ゲームセンターCX 24 ~課長はレミングスを救う 2009夏~』

    ファミコン世代の人間がテレビゲームをプレイしようとするとき、自然に頭に浮かんでくる言葉がある。その言葉とは、かの有名なゲームプレイヤー高橋名人の名言「ゲームは一日一時間」だ。「子どもはテレビゲームだけにのめりこむのではなく、もっと色々な遊びを経験する必要がある」という意志の元に生まれたこの言葉は、とにかくゲームをやりすぎることは良くないのだということを、当時の子どもたちに強く印象付けた。とはいえ、誰も彼もがこの言葉を守ったわけではない。中にはテレビゲームに魅力に屈し、親からの冷たい視線や罵声を物ともせず、ひたすらテレビゲームにのめり込み続けた子どもも存在していた。『ゲームセンターCX』で古き良き時代のテレビゲームをプレイし続けている男、有野課長もそういった類いの子どもだったのかもしれない。 今作は、例年通り『24時間テレビ』が放送された2009年の某日、同じく24時間かけて一テレビゲー

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    toronei 2019/05/17
  • 所ジョージと「餌のない釣り針」

    “ロックンロールをもっと面白くする”というテーマを掲げている『SHAKE』は、ミュージシャンを中心に取り上げたムックだ。巻頭特集の「甲ヒロト 蓄音機とアナログ・レコードの現在地」をはじめとして、浅井健一×加藤ひさし、尾崎世界観、和田唱などのミュージシャンたちが、それぞれの趣味嗜好について語っている。 そんな顔ぶれの中に、何故か所ジョージがいる。 何故か、という表現は失礼にあたるのかもしれない。1977年にデビューして以来、所はシンガーソングライターとして(たまに休みながらも)活動し続けているからだ。とはいえ、世間の彼に対するイメージは今も昔もテレビタレントであって、先に挙げたようなゴリゴリのロックンローラーたちの中に紛れているのを見ると、どうしても違和感を覚えてしまう。無論、それがいけないというわけではない。むしろ、十年来のミュージシャンとしての所ファンとしては、とっても有り難い。ど

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    toronei 2015/05/30
  • 『ぼのぼの』が描く“日常”の苦味

    原作を読んだことのない人にとって、『ぼのぼの』はかわいらしい動物たちが右往左往しているだけの子ども向け日常マンガというイメージがあるのではないだろうか。そして、それはある意味において、正しい認識である。少なくとも、テレビアニメとして放送されていた『ぼのぼの(95年~96年)』は、その趣の強い内容になっていた。テレビアニメ版『ぼのぼの』だけを知っている人にとって、『ぼのぼの』は間違いなく子ども向け作品なのである。 だが、原作はそうではない。 『ぼのぼの』の主人公、ぼのぼのはちょっとしたことを考えすぎてしまうラッコの少年だ。貝を割るための石を探しているときには「ボクはどの石も好きだけど、どの石がボクを好きなのか分からないなあ」と言って友だちのアライグマくんを惑わせたり、自分以外のみんなは普段は皮を被っていて「ボクと会ってない時のみんなは皮をぬいで休んでるんだ」「どうしてボクだけみんなとちがうん

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    toronei 2013/08/15
  • 明石家さんま学序説

    先日、タモリに関する記事を書いた。演芸史と絡めたちょっとマニアックな話題だったので、興味を持つ人もそんなにはいないだろうと想定していたのだが、蓋を開けてみると、思っていたよりもずっと沢山の反応を頂いたので驚いた。『27時間テレビ』の興奮冷めやらぬタイミングでの更新だったとはいえ、まさか普段の五倍近いアクセス数を記録することになろうとは……普段、私がお笑いDVDのレコメンドを書くために、どれだけ苦悩していると思ってるんだ……おっと、心の声が……。 さて。当該記事にも書いたが、タモリはいわゆる演芸と殆ど関わりを持つことなく現在のポジションまで登り詰めた、いわば純粋培養のパフォーマーである。漫才師でもなければコント師でもない、落語家でもなければ放送作家でもアナウンサーでもない。唯一無二の絶対的な存在、それがタモリだ。そんなタモリとはまったく逆の世界に生きていたにも関わらず、そのしがらみから逸脱し

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    toronei 2012/07/30
  • 異質の男・タモリを可愛がった喜劇人

    タモリが司会を務めた今年の『27時間テレビ』では、今ではなかなか見ることの出来ない、彼の貴重な映像が幾つか放送されていた。その映像を見て、しみじみと思った。「タモリって、変な芸人だよなあ……」。 今や『笑っていいとも!』のメインパーソナリティとして、テレビバラエティ史に堂々とその名を刻み込むことが確定されているタモリだが、その立ち位置はなんとも不思議だ。大手芸能事務所に属さず、漫才やコントといった演芸を見せず、やることといえば珍妙な形態模写……改めて考えてみると、こんなヘンテコな存在はそうそう見られるものじゃない。なのに、そのヘンテコな存在が、お昼の生放送の番組を取り仕切っている。これは、もはや不気味の領域だ。考えてもみれば、オールバックにサングラスというビジュアルも不気味だ。あんなのが自分の部屋に入ってきたら、怖くて怖くて……って、それ『世にも奇妙な物語』だよ! そんなタモリの出自も、こ

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    toronei 2012/07/25
  • 太田光、「伝える」について語る。

    先日、『絶望に効くクスリ』の最終巻が発売された。作者の山田玲司が様々な人たちと出会い、話を繰り広げ、彼ら彼女らから希望のライムを受け取るというインタビュー漫画で、なかなかに面白かったのだが、連載誌であるヤングサンデーの休刊に伴い、連載も終了してしまったのである。山田の左寄りな姿勢が鼻についたり、作風がマンネリ化してしまったり、色々なマイナス面も少なからず見られたが、なかなか面白い回も多く(二巻の町田康、三巻の五味太郎の回は必見)、なんだかんだで最終巻まで見守ってしまった。連載は2003年8月に始まり、2008年7月に終了。気付けば約五年も連載されていた。意外と長かったな。 その五年に渡る連載の最後に山田がインタビュー相手として選んだのが、太田光(爆笑問題)だった。みうらじゅん、忌野清志郎、宮藤官九郎、さかなクン、重松清、ケラリーノ・サンドロビッチ、岡田斗司夫など、様々な著名人とインタビュー

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    toronei 2009/07/06
  • 追悼・祝々亭舶伝

    呑気に『クイック・ジャパン vol.80』を読んでいると、ヂエームス槇氏によるコラムが目に留まった。コラムのタイトルは「追悼・祝々亭舶伝」。祝々亭舶伝。どこかで聞いた名だ。誰だっけ。小一時間ほど考えて……ようやく思い出した。いやはや、情けない。彼のことを忘れていたとは。 祝々亭舶伝。三代目桂春団治を師匠に持った落語家で、かつては桂福団治と名乗っていた。その後、桂春輔と名前を変え、最終的に祝々亭舶伝となった。桂春輔と名乗っていた頃、彼は“気違い春輔”と呼ばれていた。「医者に栄養を取らないといけないといわれ、御飯にアリナミンをかけた」「モリソバだけを先にべた後、ツユだけ飲んだ」「立川談志に「ペニスの先から屁が出る」と自慢した」などの異常な行動のためである。 しかし、その芸については一目置かれていた。派手なコントや漫才に負けないように、高座で飛び跳ね、舞台を走り回る激しい創作落語で、客にウケて

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    toronei 2008/11/14
  • 初見感想リアルタイム更新

    さあ、始まりましたぞ。大会自体に対する不安を書き綴りすぎて、どっかの誰かに「死ねばいいのに」などと言われてしまいましたが、まったく期待していなかったら、こうやってカテゴリを分けようなんて思いませんからね。ええ、期待してますよ! この期待に応えてもらいたいですよ! グチの数だけ、自分の中のハードルを下げてんねんで、ホント。さあ、楽しみながら観ようっと。 追記。口、悪いです。たぶん。 ☆Aリーグ ・TKO『空気の読めない男』(368点) コンパの代役で来た木下さんが、場の空気を掻き乱すコント。正直、予想していた通りのことになったなあ……という印象。こういう大舞台で、物凄い爆笑を生み出せるほどの勢いが、そもそも彼らには無いんだよね。そこそこにウケるコントが上手い。でも、それだけ。ある意味、基準点なコントで面白くないとは言わないけれど、こういう大会で観たいネタではないよな。後半、だんだん勢いづいて

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    toronei 2008/10/05
    盛り上がってないなあ。
  • 「タモリのボキャブラ天国大復活スペシャル」感想

    アニマル梯団、パイレーツなどのコンビを復活させているのに、今でも活動中のアンジャッシュ・アンタッチャブル・ペナルティといった中堅組がいなかったのは、過去(人気キャブラー)と現在(ショートネタブームからの若手芸人)を融合するという意図からのものなのかな。個人的には野性爆弾とかも見たかったけど。 若手芸人たちのニューカマーネタでは、サンドウィッチマンとイワイガワ、あと東京03が秀逸だった。それ以外の若手芸人たちの多くは、自分たちのスタイルを露骨に主張している人たちが多くて、ちょっとだけウンザリした(ザ・たっちは良かったが)。最終的に優勝したのが、ボキャブラ放送当時に井川さんが作ったというネタだったという事実が、それを証明している。別に芸人さんのネタが見たいんじゃなくて、当時のボキャブラのノリが欲しいんだよねえ。なだぎ武なんか説教モノだろ、あれは。ああいう悪フザケは、あんまり求められていなかった

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    toronei 2008/09/29
  • 『ネプチューン おひつじ座の巻』

    幸せだ。今の僕は、間違いなく幸せだ。だって、久しぶりにネプチューンのコントが観られたんだから。思春期に『笑う犬の生活』を体験した世代なら、きっと誰もが幸せになれるはずだ。そこにウッチャンはいないけれど、でも、僕は幸せだ。全力でハシャぐナグラを、力づくで突き進むタイゾーを、相変わらず自由に飛び回るホリケンを、しっかりと確認することが出来た僕は、何処の誰よりも幸せなのだ。 『笑う犬』シリーズ終了後のネプチューンは、当にテレビ慣れしてしまった。名倉潤は立ち回りが上手くなったし、原田泰造は俳優としての腕をメキメキと上げた。堀内健は相変わらずで、どんな空間であっても自由自在な立ち振る舞いを怠らない。でも、なんだか可哀想な人みたいな扱いをされているのを見ると、なんだか切ない。「あんなもんじゃない! ホリケンはもっと面白いんだ!」と、何度テレビの前で訴えそうになったか。まあ、それは嘘だけど。 なんか、

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    toronei 2008/08/06
    僕はネプチューンは、コントよりバラエティに出てる時が好きだったりする。
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