最前列左から3人目が開成・風呂井義人主将、4人目が麻布・新原浩太主将、5人目が遠藤宏哲ゲーム主将(撮影:松本かおり) 東京の西日暮里、庶民の下町にある校舎から制服姿の少年たちが外へ出る。徒歩で最寄りの地下鉄の駅へ向かい、千代田線に飛び乗って、日比谷駅下車、こんどは日比谷線で広尾まで。地上に到達したら少し太陽光線が眩しい。右折、歩道を速足で進む。山の手の高級住宅街の景色は、さて、目に入っただろうか、ずんずんと坂を上り、もどかしくも信号で待たされ、私服で下校の生徒たちとすれ違って、出発からざっと半時間、あと少しで質素な白い校門に到着する。 好敵手が手を結ぶ。スポーツ観戦の喜びのひとつだ。昔、「早明連合」というチームが編成された。1977年、来日のスコットランド代表と対戦、13-59で敗れた。少年ファンとしてやけに胸がときめいたのを覚えている。展開の早稲田と突進の明治、ユサブリと前へ、例年12月