ロックとはなんだったのか? 情熱的に語られがちなロックを、冷静に、理性的に、「縁側で渋茶をすするお爺さんのように」語る連作エッセイ。ロックの時代が終わったいま、ロックの正体が明かされる!? 初期のロックンロールはチャック・ベリーにファッツ・ドミノ、リトル・リチャードといった黒人ミュージシャンと、エルヴィス・プレスリー、ビル・ヘイリー、エディ・コクランといった白人ミュージシャンが共存していた。これはかなり画期的なことである。何故なら1950年代のロックンロールには、1960年代後半に盛んになったカウンターカルチャー的なイデオロギーの萌芽はあったものの、まだ本格的には政治性を有していなかった、にもかかわらず黒人文化と白人文化が共存していたのだ。 人種差別というのは我々人類が文化的な生活を営む上で最大の問題点ではある。黒人と白人では、パッと見た瞬間にかなり違うように思ってしまうわけだが遺伝子レベ